32Bit Windows 10 のバンドルは2020年5月に終了し、OEM チャンネル (v.2004 までは通常チャンネル) を通じてサポートされています。また、32Bit プログラムのサポートは2038年には終えるとされています。要注意の延命です。(2021.9 本機を廃棄)
Dell LATITUDE D610 で Windows 10 (32Bit)
Dell 社は、規格の定まったパーツの集まりとしてパソコンを捉え、BTO 型の高い性能の PC を比較的廉価に販売して、急成長したベンダーでした。IBM・HP に次ぐ PC 製造会社となり、2000年 1 桁年代には、パーソナルなコンピューターから、ビジネス用 PC や企業用のサーバーなどに事業を拡大していきました。Dell Latitude D610 はこの時代の PC です。
性能対費用を重視するスタイルは、一般コンシュマーには適度な買い替えを求め、品質の「それなり」化と「耐久性の低下」もたらしたようです。しかし、日本製 PC (Fujitsu 製と 少し少な目ですが NEC 製が「役所の PC」の 大半) で、家庭の個人用には、メーカーが新しい技術を未消化のまま「宣伝的」に取り込み、高価格となっていました。その点では Dell 製 PC は無駄のない PC でした。
Dell Latitude D610 は 2005 年に 2 月に発売された Windows XP 機です。Windows 7 32Bit をインストールし、Windows 10 32Bit にアップグレードしたものです。
既にユーザーが廃棄したため、2014年に書かれたこのページの「試み」を再現する事も、新しく追加する事もできませんが、標準でインストールされないデバイスドライバーの入手やインストールの際に、役立てて頂く事はできると思います。
仕様 |
CPU |
Intel Pentium 4 M760, (SSE2 対応, xD ビット対応, PAE 非対応) |
クロック |
システムバス 1.6GHz, メモリバス 533MHz |
メモリ |
1.6GHz, DDR2 1GBytes max ×2 |
グラフィック |
i915PM チップセット / ATi Mobility Radion X300 |
OS |
Windows XP Pro |
PAE 非対応なので 64Bit Windows は動作しません。i915PM チップセットは Windows 10 v.1703 でサポートされます。このチップセットはWindows 10 v.1709 以降のバージョンで不都合が現れ、v.1709 以降はセキュリティ更新とデバイスドライバの更新のみとする必要があります。レガシーな ATI Radeon シリーズ には 最初期 の WDDM グラフィックのものがあり、X300 では Windows 10 が動作します。i915GM チップセットではサポートされません。
このモデルへ Windows 10 のインストール
最低限のシステム要件を満たしているので、取り敢えず OS はインストールされます。Windows 10 v.1703 への更新は
Microsoft Update カタログ サイトから入手できます。[ Windows 10 1703 ] で検索をかければ OK です。Windows 10 では対応できないとされたデバイスとデバイスドライバーはインストールされません。
ドライバーのインストール
- オーディオドライバーがインストールされません。音は出ません。
Dell のダウンロードサイト (オーディオカテゴリー) から入手できる VISTA 対応の Realtek STAC 975X AC97オーディオ用ドライバー が使えます。インストールすると音が出ます。
- [基本ディスプレイドライバー] がインストールされ、ディスプレーは動作します。DVD や You Tube の映像がカクカクします。
- Vista 用 ATI Radeon X300 用ドライバーを使用します。AMD のダウンロードサイト (Graphics カテゴリー > Legacy Graphicsカテゴリー > 製品名) から入手でき、実際に「かなり」使えます。(ATI Mobile Radeon X300 も使えますが YouTube などのグラフィックにパフォーマンスが出ません。)
- [デバイスマネージャー] を起動 ⇒ [ディスプレイ アダプター] ⇒ [Microsoft 基本ディスプレイアダプター] ⇒ プロパティを開く ⇒ [詳細] ⇒ [ハードウェア ID] を順に開いて、デバイスID を取得します。PCI\VEN_1002&DEV_5460&~ だと分かります。▼画像でチェック
- ダウンロードしたインストールインストールプログラムを実行し、展開される場所 (C:\ATI\~ フォルダ下) を確認して、インストール開始されたらキャンセルします。展開のみで済ませます。
- 展開されたフォルダ下のフォルダで INF ファイルの在り処 LH_INF (32Bit 用) を開きます。
- INFファイル CL_95951.inf をテキストエディター (メモ帳) で開き、X300で検索します。Radeon X300/X500/X1050 Series 記述の幾つか見つかります。
- 適当な 1 行 (ati2mtag_RV370系とati2mtag_RV380x系の2 種から。例では RV380x) を複製し、”Radeon X300/X500/X1050 Series” = atim2mtag_RV380x, PCI\VEN_1002&DEV_5460 と書き換え、適当な別名 (例えば CL_95951-fix.inf) で保存します。DEV_5460 は Mobile Radeon X300 のデバイス ID ですが 続く &~ を散り除き、 RADEON X300 と 互換性のあるデバイスと認識させることができます。
- 高速起動を停止(←重要)します。このビデオデバイスは WDDM 対応ですが高速起動には対応しません。そのままではシャットダウン後に、起動するとブラックアウトします。
- [設定] ⇒ [システム] ⇒ [電源とスリープ] を順に開きます。▼画像でチェック
- ⇒ [電源ボタンの動作を設定する] を開きます。▼画像でチェック
- ⇒ [現在利用可能ではない設定を変更します] を開き、 ⇒ [高速スタートアップを有効にする] のチェックを外して無効にし、⇒ [変更を保存] します。▼画像でチェック
Windows 7 程度に起動が遅くなります。
- 「セーフモード」に切り替えます。"発行元を検証しない" でインストールができるようになります。32Bit OS 用の方法です。(64Bit OS では開発者用テストモードで)
- [設定] ⇒[ 更新とセキュリティ] ⇒[ 回復]を順に開き ⇒ [今すぐ再起動する] を実行します。▼画像でチェック
- 再起動後、[トラブルシューティング] ⇒ [詳細オプション] ⇒ [スタートアップ設定] ⇒ スタートアップ設定から 再起動 と進み、システム全体の再起動させます。スクリーンショットは撮れません。
- ⇒再起動後のスタートアップ設定でオプションメニューに従ってセーフモードを有効にして起動(キー4の押下)します。セーフモードで起動されます。スクリーンショットは撮れません。
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ドライバーをインストールします。
- [デバイスマネージャー] から [ディスプレイ アダプター] ⇒ [Microsoft 基本ディスプレイアダプター] ⇒ 右クリックして [ドライバーの更新]を開きます。▼画像でチェック
- ⇒ [コンピューターを参照して…検索・・・] を選択します。Windows の インボックスにないドライバーをインストールする選択です。⇒さらに [コンピューター上の・・・一覧から検索・・・] を選択します。▼画像でチェック
- ⇒ "~デバイスドライバーを選択・・・" で [ディスク使用] を選択します。ベンダーから直接提供される外部メディアからのインストールなど汎用性の高い方法です。⇒ "~ファイルのコピー元" を [参照] します。▼画像でチェック
- ⇒ INF ファイルの在り処 "LH_INF" を開き、インストールに使う修正した INF ファイル "CL_95951-fix.inf" 指定 ⇒ 開きます。▼画像でチェック
- ⇒ INF ファイルから取得された対応モデル名を確認して [次へ] ⇒ セキュリティ警告を無視してインストールを強行します。▼画像でチェック
- ⇒ インストールが続き、成功します。⇒ デバイスマネージャーで確認できます。▼画像でチェック
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再起動します。通常モードに戻ります。
使用制限
高速起動できません。Windows 10 v.1709 以降は不都合があります。
解像度は 1280×1024、1280×768、1024×768、800×600 です。1280×1024 は 5:4 で少しひしゃげます。・・・ (April,2023) たまたま INF ファイルを読み直してみると、[M2] (モバイル) タグ内にで 1400 × 1050 の記述があり、4:3 出力ができるかも知れない。本体がないので、テストできないが……
つぶやき・・・
非常に旧~い PC が Windows 10 で動くなんて、面白いなぁ!!
動画の表示が改善したのは嬉しいですが、高解像度画面で 4:3 表示ができなかったのが残念です。